太極拳は有酸素運動
有酸素運動とは
太極拳,ウォーキング,マラソン,エアロビクス,ゆっくりした水泳など比較的長い時間かけてする運動のことです。このような運動は,心臓や肺の機能(心肺機能)を活性化させたり,呼吸で取り込んだ酸素と一緒に体脂肪を燃焼させたりする効果があるので,ダイエットにはとても適した運動だと言えます。
継続的で比較的弱い力が筋肉にかかり続ける時は,エネルギー源として体内に蓄えられている体脂肪を燃焼させて使います。燃焼材料として酸素が必要です。脂肪を燃焼させるには20分以上続けて運動すると特に効果的だと言われています。
心肺機能が活性化すると代謝もよくなりますし,生活習慣病予防にも効果的なので,ダイエットだけでなく健康のための運動としても最適です。
では,なぜ20分以上続けることが効果的なのでしょうか。
20分までで使われる脂肪は,血中の脂肪で血液をさらさらな状態にするので健康維持のためなら十分な時間です。しかし,脂肪細胞を減らすには有効とはいえません。血液中の脂肪分をある程度使い終わると,ようやく皮下脂肪や内臓脂肪が使われるようになります。
つまり20分後から使われる脂肪がダイエットに最適ということになります。
以上から有酸素運動の効果がおわかりいただけたことでしょう。太極拳でなくても違う有酸素運動でも良いのです。人それぞれ得て不得手,好みの違いがあります。
さて,当中華武術國際誠明總会(府中館・第二府中館)で練習している誠明太極拳(終南門派)は中腰の姿勢で長時間行なうので,他の運動より筋肉(インナーマッスル)を刺激する時間が長いのです。太ももやふくらはぎの筋肉をつけたり,膝・脚を持ち上げる筋肉をつけたり,足首や股関節の柔軟性をつけたりします。また,身体をひねる動作は内臓の機能を高めますし,ウエストを細くもします。中腰の姿勢は腰骨を立て背筋を真っ直ぐに伸ばしますので,脊柱起立筋を鍛えます。この筋肉は「健康メモ1」で取り上げた「赤筋」が最も多い筋肉です。 また,立禅(誠明気功)を太極拳(動禅)と平行して行っています。これは,「気・血・水」の流れをよくし,内臓(五臓六腑)機能を高めます。そのため自然治癒力が高まり,ホルモンなどの内分泌を盛んにし,新陳代謝を活発にして,病気の予防と同時に病気回復にも大きな効果を発揮します。 【第二府中館「道場生の声の欄」をご参考に】 最後に誠明太極拳は武術です。踊りではありません。護身術であり,精神面の強化もし ます。 |
無酸素運動とは
短距離走,腕立て伏せ,スクワット,筋力系マシントレーニングなど,パワー系の比較的短時間で行う運動の事です。酸素を必要としない筋力トレーニングの事です。
有酸素運動と無酸素運動には,それぞれに長所があるので,両方を組み合わせて行うのが最高の方法ですが,どちらも運動していることには変わりはありません。それよりも,続けることが大切です。
誠明太極拳(終南門派)の練習時に抜筋骨という準備運動をしますが,この中には無酸素系運動も入っております。いかに運動効果を考えた拳法かが伺われます。
有酸素運動の効果 ・心肺機能を強くする! ・脂肪を燃焼させる! |