就寝時刻は夜11時から1時以前がよいと言われています。私たちは夜中を過ぎても起きている時がありますが,午前1時を過ぎ2時を過ぎる頃になると眠気がなくなり,頭がすっきりするのを感じたことがあるはずです。これは諸葛孔明のようにさまざまな謀略やアイディアを出す軍師のような役割をはたす機能が内臓(肝臓)とその関係経絡(けいらく)にあるからです。
しかし,頭脳労働をするのには効率はよいのですが,身体には大きなダメージとなります。肝臓は血を収蔵する場所なので,就寝すべき時間帯に寝ないと全身のエネルギーを大きく消耗するだけではなく,精神的な休養もできなくなり長期にわたると,不眠症や,中枢神経失調,精神不安などの結果をもたらすことになります。自律神経失調症。
② 朝食はしっかりとりましょう
朝食をとるべき時間帯は午前7時から9時が良いと言われています。この時間帯は胃とその関係経絡が栄養摂取の最もよいタイミングなのです。朝は一日の活動のための十分なエネルギーを補充しなければなりません。しかも沢山食べても太らないだけの消化に供給エネルギーは十分にあります。また,胃から受け取った食べ物のエキスを全身に送り出す脾臓と関係経絡があるからです。受け入れたものを分解・吸収・変化・転送させるのです。その時間帯は午前9時から11時と言われています。
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とは言っても現在の生活リズムを変えることは困難かと思いますが,体調不良や精神不安を感じる方,また,前述内容を実践してみたいという方はどうか参考にしていただけたら幸いです。習慣化することが大切です。
参考図書:「気功で読み解く老子」春秋社
東洋医学では,神経でも血管でもない,目に見えない「経絡」と呼ばれる道筋が体中に張り巡らされていると考えます。その経絡を流れているのが「気」という生命エネルギーです。主な経路(けいろ)は12本あり,正経十二経絡(せいけいじゅうにけいらく)と呼ばれます。内臓(心臓・小腸,肝臓・胆嚢,脾臓・胃,腎臓・膀胱,肺・大腸)を示す五臓五腑に心包(しんぽう)という臓と三焦(さんしょう)(すい臓)を加えた六臓六腑の合計十二の臓腑に対応しています。
経絡はこれらの十二の内臓諸器官から体の内部や表面を通って手足や顔に至り,再び十二の臓腑に帰るようになっています。血液が心臓から心臓に戻るように,「気」も体の中を循環していると考えられています。
十二経絡を正経と呼ぶのに対して,一定の陰陽や表裏関係のない単独の経絡を奇経(きけい)と呼び,8本あるとされています。「督脈(とくみゃく),任脈(にんみゃく),陽蹻脈(ようきょう),陰蹻脈,陽維脈,陰維脈,衝脈,帯脈」です。これを奇経八脈と呼びます。役割は経絡の中の気血が旺盛になるとその余分な気血が奇経に流れ込むとされています。旺盛となった気血が溢れ出るのを防ぐため放水路のような役目をしています。
私たちが日々鍛錬している立禅(りつぜん)の正しい名称は誠明気功と呼びます。
站樁(日本名:たんとう)(中国名:チャンチュアン・ツァンツォン)と普通は言っています。この中には,すでにご紹介しておりますが,第一段(五臓六腑),第二段(奇経八脈),第三段(正経十二経絡)の站樁があります。時々小澤先生から上記以外の型のご指導を受けることもありますが,様々な立禅の型があります。
さて,この誠明気功は健康長寿の秘訣である「腿を鍛錬することにあります。大腿四頭筋(太もも)は人体最大の筋で,それに負荷をかけることによって大腿四頭筋に酸素を補給するため,心肺機能の活動が活発になります。
つまりは生命活動も活発になります。筋肉内面の毛細血管も大量に開きゆるむため,発汗,全身の※発熱などの感覚が出てきます。
第一段は五臓六腑をコントロールしている自律神経の働きが整えられ,血液の流れやホルモンの分泌がスムーズになります。同時に「気」を養います。これを繰り返し行うことにより,不調の生じた部分を元の健康な状態に戻していきます。私たちが本来もっている自然治癒力を高めて,根本から改善するものです。免疫力を上げることで病気になりにくい体にしていきます。
ただし,これですべて体の不調や内臓の異常が解消できるわけではありません。以下の内容を抑えながらの生活が基本になります。
①
の項で述べた十分な睡眠
②
の項で述べたバランスのとれた食生活
③
太極拳(適度な運動)・誠明気功・・・・・心身のくつろぎ(寝ている時の自律神経である副交感神経を優位にする。)
は健康を維持して病気を防ぐためには不可欠です。一週間に一回の1時間か2時間の練習日プラスアルファの練習ができると,効果は更に上がります。
第一段の修練を積みそして,第二段・第三段と進むことで生命エネルギーである「気」を増大し,その流れをよりスムーズにしていくことになります。