(以下の内容は中華武術國際誠明總会台湾本部から2011年3月に発行される武術雑誌第2号の日本語ヴァージョンです。)
文責 望月克彦
最強の格闘技を求めて
中華武術國際誠明總会 日本府中館 館長
老師王福来先生入室弟子 小澤正司
少年の頃から最強の格闘技を求めて,柔道,ボクシング,空手と学んで来た。何を学ぶのにもそれぞれの道場に入門するものの常に「練習は裏切らない」「人の8倍は練習する」をモットーに修業を続けて来た。
学生時代はストリートファイトにあけくれる毎日であった。在学中は小澤を名指しして挑戦する他校の学生も多かった。しかし,それらはことごとく排除してきた。
空手道場に入門するも練習の鬼で頭角をどんどんあらわし,超スピードで四段位を獲得した。組手では相手のあばらを折ったり,顔面をカウンターでノックアウトさせたり,文字通りの最強の空手マンであった。自分で言うのも何だが現在第二府中館の館長の望月克彦が私の弟子であった当時,彼は「老師はこわかったけど,とっても丁寧に何度も何度も教えてくださった。」と話していることもこの場を借りて報告しておきたい。
ある時,空手道場の師範に台湾から王福来という最強の格闘家が来日しているという話を聞かされた。そこで,職場から休暇をもらってお会いすることにした。王福来という先生はきっと大柄でごつい感じの方かと想像していたが,会ってみるとそうではなかった。この人本当に強いのかと目を疑うほどの体格であった。
「気」とは何か。「気の力」とはどんな強さなのかわからなかったので,発勁をお願いした。
一回目は風穴(3センチメートル位)が開いたようだった。二回目は力を入れて踏ん張ると5メートルほど飛ばされた。それでも,納得がいかないのでもう一度お願いしようとしたが,「もう危険だから止めましょう。」と言われあきらめることにした。ところが,2か月後あたりから胸がシクシクする不思議な痛みが3年ほど続いた。
30年前の草屯道場の周囲は一面田んぼであった。当初の練習は立禅で,特に私の血を好むのか蚊が沢山寄って来て腕に止まった。腕に止まった蚊が練習量が激しく汗を沢山かくためにその汗で溺れ死んでいた。老師王福来先生が「小澤さん蚊が死んでいる」と言ってつまみ取ってくださった。それは懐かしい思い出である。
空手時代 組手 |
空手の型(釵) 演武会にて |
1992拝師 (入門弟子) |
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2004拝師 (入室弟子) |
師爺王樹金先生の墓前で |